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abonetとは
●「abonet」のルーツ
●名前の由来とロゴマーク
30年程前、脳障害を患っている女の子のご家族から、こんなお電話を頂きました。
「普通の帽子でありながら、衝撃を和らげる機能的な帽子」です。
ヘルメット状のシェルで覆うことで解決します。
しかし、ユニバーサルデザインの観点からみると日常生活での使用には違和感があります。
できるだけ衝撃を吸収し、見た目にはデザイン性の高い外観であることを大切に、
強さと優しさのバランスにこだわった保護帽アボネットをお試しください。
「abonet」の誕生
アボネットの誕生は、2000年10月、産学官連携による「福祉用具デザイン開発・研究プロジェクト」の発足に遡ります。同プロジェクトは、札幌市立高等専門学校(2011年閉校/札幌市立大学前身校)のデザイン力と私たち特殊衣料の生産力・販売力を統合させ、札幌市経済局のコーディネートのもと、ユニバーサルデザインを基点とした商品開発および販売を目指して活動を展開しました。
障がい者やてんかん患者が使用していた転倒保護帽子の既成概念を見直し、より安全快適で、誰もが日常生活で違和感を感じないおしゃれな保護帽の開発に取り組み、2002年9月、「強くて優しい帽子《abonet》」が誕生しました。
「abonet」のネーミング、ロゴマーク案は、札幌市立高等専門学校の学生より募集しました。アボネット/abonetの"a"は「単体」を表し、"bonet"は英語の"bonnet"(帽子)から来た造語で、日本語では"母(ぼ)ネット"(=母の網)と解し、「柔和な母の包容」も意味しています。
保護帽開発のきっかけ
「娘のために、軽くて洗える保護帽を作ってもらえませんか?」
電話を受けた社員がご家族のもとを訪ねると、女の子はF1レーサーが着けるようなフルフェイスのヘルメットをかぶっていました。ヘルメットの重みでふらつき、何度も転びます。
当時売られていた「頭部保護帽」もヘッドギアのような形のものばかりで、素材も硬く、洗うことも出来ませんでした。
弊社はそれまで帽子を作った経験はありませんでしたが、同時期にてんかんのある実習生をリネンサプライ工場に受け入れていたこともあり、保護帽作りを開始しました。ノウハウも何も無いところから保護帽に適した生地や緩衝材を集め、何度も試作を繰り返し、試行錯誤の末に完成したのがアボネットの前身である「愛帽(あいぼう)」です。
現在のアボネットに比べると野暮ったく、売れ行きもよくありませんでしたが、お客様一人ひとりに寄り添った商品作りは、今も昔も変わりません。